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アナと雪の女王2 感想・考察 エルサは幸せになったのか

 

先日アナ雪2を観てきました!

色々な要素がふんだんに詰め込まれていて、笑っては泣き、泣いては笑いの繰り返しでした。

 

今回はその感想や考えなどをまとめてみたいと思います。

途中からネタバレを載せますので、映画を観賞してから読んでもらえるとありがたいです!

映画をもう観たよ、もしくは観てないけどネタバレ気にしないよ、という方はお付き合いください!

 

 

 

 

 

あらすじ(ネタバレなし)

 

前作から3年。アレンデールの国王になったエルサは、平和な日々を過ごしていました。

しかしあるときから、自らを呼ぶ不思議な歌声を聴くようになります。

その歌声に導かれるようにエルサは、アナやクリストフ、オラフ、スヴェンとともに旅に出ます。

そしてエルサの持つ”力”の意味を解き明かすために、数々の試練に立ち向かうことになります。

 

 

前作同様に、歌あり、アクションあり、笑いありの感動的な作品になっています!

 

キャラクター

エルサ

キャスト:イディナ・メンゼル松たか子

本作の主人公で、アナの姉にしてアレンデールの国王。24歳。

真面目でクールな性格で、生まれながら雪や氷を作り出す魔法の力を持っています。

 

アナ

キャスト:クリステン・ベル/神田沙也加

もうひとりの主人公。エルサの妹で、21歳。

姉のエルサとは真逆の性格で、好奇心旺盛で活動的。魔法は使えないが、エルサへの想いと持ち前の行動力で旅に同行します。

 

オラフ

キャスト:ジョシュ・ギャッド武内駿輔

エルサの魔法の力で生まれた雪だるま。文字を覚えたことにより、どんどんと知識が増えました。無邪気で素直な性格はそのまま。

 

クリストフ

キャスト:ジョナサン・グロフ/原慎一

山男の青年で、アナの恋人。24歳。

アナを愛していて、本作ではアナにプロポーズを考えている様子。前作に続きトナカイのスヴェンと常に一緒に行動しています。

 

ネタバレなしの感想

個人的には前作よりも好きでした。

音楽もアクションもコメディも前作よりもパワーアップしていました!

 

ミュージカルシーンは前作よりも増えていて好みでした。

正直、レリゴーほどのキャッチーさはなく、子どもたちが歌いまくるみたいなことはなさそうですが、クオリティが下がっているわけでは決してありません。

歌うのが難しそうな曲を、歌うまなキャストがここぞという場面で歌唱してくれるので、パワフルでエモーショナルでした!

今作ではクリストフのソロ曲もあり、彼のファンは見逃せないと思いますよ~!

 

個人的に好きだったのは「イントゥ・ジ・アンノウン」と「魔法の川の子守唄」という曲です。

 

相変わらずオラフのキャラクターは可愛らしくていい味だしてます。

基本のストーリーはわりとシリアスですが(暗くはないですけど)、彼がいることで重すぎず、楽しい雰囲気になれます。

笑えるシーン多めです。

 

 

 

 

これより下はネタバレありです。

映画を観ていないかた、ご注意です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想(ネタバレあり)

泣いたー!!

賛否両論あるっぽいですが、個人的にはとっても良かったと思ってます。

 

いたるところで、ネタにしながらも前作を大事にしていることが伝わる作りでしたね。

アナの描き方とかとっても感心しました。

ポジティブで行動的な性格は変わりませんけど、前作は「失うものが何もない」ゆえの無謀に近い勇気とか言動が目立ってました。

けれども今回は、王でありかけがえのない姉エルサを守りたいと前作以上に強く思っているし、愛するクリストフがいるし、仲良しのオラフがいるし、「失いたくないもの」ばかり手にいれてるんですよね。

明確に愛する者たちのための行動が増えていて、やっぱり無謀にみえる部分もありはするものの、「絶対失ってなるもんか!私の大切なものだぞ!」という気概を強く感じました。

 

両親の死の真相が自分にあると思い、自らの力や存在に悲観したエルサに、まっすぐに「あなたは尊い贈り物」と言える強さにはぐっとくるどころか号泣でした。

そんなふうに常に「失いたくない愛する者」を守り行動してきたアナにまさかの試練が降り注ぎました。

ただ抱きしめることしかできないまま、目の前で消えていくオラフ。

そのことからエルサの身に何が起こったかを察する。

 

直前までアナは、守りたいから、失いたくないからと「どんなことがあってもついていく!」と言ってました。そんなアナにこの仕打ち。

これ以上の悲しみなんてないのでは、、と思わせる絶望的なシーンながら、彼女は前を向くんですよね。愛するエルサが最期に他の誰でもない自分に託したメッセージ(事件の真相)を携えて歩みだすわけです。

このときに変にクリストフにすがったりしなかったのが、彼女の強さでもあるんでしょうかね。

 

過去の過ちをただすために、ダムの決壊を決意し走るアナはやっぱり無謀でもあるんだけど、最愛の姉や友人を失った彼女が今やアレンデールやノーサルドラのために行動しているのです。

自らの境遇を嘆くのではなく、自分にできることに目を向けた。かっこいいです。

個人的には、この時点でアナには国を治める王としての素質が生まれた(開花した)と思っています。

 

このときのピンチをクリストフが救ってくれますが、そのときに彼の第一声にまた号泣。たった一言「何をすればいい?」

アナが目的をもって行動していることを察して、信じて、サポートする。絶対的な信頼感。それまでプロポーズのくだりで散々すれ違いを見せてきた後のこれですよ!?

この二人には飾った言葉は要らないんでしょうね。

 

 

それからエルサ。色々作品に対しての感想はあるんですけど、これだけは外したくないなと思った内容が、「エルサは幸せになったのか」でした。

 

エルサは幸せになったのか

 

本作の賛否わかれるポイントを探してみたら、わりと多かったのがラスト。

アナはアレンデールに王として残り、エルサは森に残り精霊として生きることを選ぶ。

あんなに仲良しで近くで支えあっていた姉妹が、行き来できるにせよ離れた場所に暮らすというエンディング。

 

エルサは前作の時点から人と違う力を持つことに悩んでいました。

本作でも序盤はトラブルを避けたがる傾向が見え、慎重な性格であることを差し引いても、これ以上混乱したりするような状況に身を置きたくなかったのではないかと考えられます。

常に自分はどこか周りと違うという漠然とした不安や悩みのようなものを抱えていたのかもしれません。

そんなエルサが最後に森で暮らすことになります。基本的には自分の居場所を見つけたという解釈で良いかと思います。

 

ただこれは色々な考え方ができると思うんですよね。

今いる場所(アレンデール)に馴染めない→でもアレンデールは自分の出身地だし王だし、周りからすればエルサはいてもいい(いてほしい)存在→だけど”人と違う”ことを理由に自分に似たコミュニティへ移る→本来いてもいい場所で”ありのまま”でいる選択肢を失ったことをエルサ自身がそう感じるのはともかく、周りの人たちがハッピーエンドと捉えてしまって良いのか

現にこんな感じの感想を書いてらっしゃる方もいて、確かにね、と思ったりします。その通りなんですよね。

 

エルサの決断に関する周りの反応は、劇中では描かれていないのでなんとも言えませんが、観客はいわば部外者なので、エルサ本人が幸せならハッピーエンドとして受け取っていいと思います。

で、大事なのが、エルサは幸せになったのか。ということですよね。

 

自分はなれたと解釈しています。

 

前作でも終始陰鬱な表情をしていたエルサ。最後には問題も解決できたしめでたしめでたしだったものの、今回また切なげな表情や浮かない表情が多いエルサ。

ストーリー上エルサにとっては不安・不快に感じる要素だらけなので仕方ないのですが笑、問題が起きる前からすっきりした表情はほとんど見せてくれません。

 

前作ではレリゴーしてるときはいい感じに吹っ切れた表情はしてますが、そのあとすぐずっと不安そうな表情が増えるので、レリゴーは半分はヤケになったというか開き直った部分もあったかなと思います。

現にひとつも問題を解決してないタイミングで歌ってますしね。でもエルサの心情を表した美しいシーンで名曲なのは間違いないですけど。

 

もうとにかくずっと「なんか違うな」という感覚を味わっていたのではないでしょうか。

前作の公開後、続編制作にあたって、「エルサにガールフレンドを!」というハッシュタグが流行ったみたいですね。

エルサの心境や立場は間違いなくマイノリティなので、LGBT当事者からも共感を得られ、こうしたハッシュタグが生まれたのでしょう。

自分のありのままをさらけ出せない生活こそがエルサを苦しめていたのは事実で、そこに向き合おうとする彼女が、そうした支持を得るのはある意味では必然だったのかもしれません。

とはいえ、本作でもエルサのロマンスは描かれませんでした。「愛」がテーマになっているは思いますが、それでもボーイフレンドもガールフレンドも登場しませんでした。

 

姉妹愛、家族愛に続いて、今回エルサに必要だったのが、自分を愛するということだったのかもしれないな、と思います。

考えようによっては自分のせいで両親は亡くなっているし(アナが否定したように事実ではないですが)、前作でも自分のせいでアレンデールは冬になってしまうし(解決してるし根に持っている人もいなそうですが)、一度アナを傷つけてしまい(ただの事故ですが)自分を信じられなくなってしまった人間が、自分を愛するにはこれらよりももっと大きな何かが必要なんだと思います。

どんなだめなところがあっても自分を受け入れて愛することこそが自己肯定感ではありますが、エルサにそんなこと言ったってなにも響かないことは容易に想像がつきますもんね笑

 

エルサには、どんなに周りが「素敵」と言ってくれても受け入れきれないほどにエルサ自身を苦しめる力や出自を持っています。が、幸いなことにその力や生まれには意味がありました。

第5の精霊として、過ちを正すこと。

 

誰かの役に立てていると実感できたり、自分のいる意味や価値を見出すことで、受け入れがたい部分も自分の中で昇華できるようになったのではないかと思います。

さきほど本作でエルサは浮かない表情が多いと書きましたが、後半になって、それこそ水の馬にまたがって疾走しているときは、すっきりした表情が印象的に描かれていたように思いました。

髪形も大きく変わりました。

 

前作の戴冠式のときを思い返すと、きっちりとまとめ抑え込んだ髪形をしています。

氷の城でレリゴーして、その髪をほどきました。

そこからさらに、今回の後半に見せてくれた完全に髪をほどいたスタイルへと変わっています。

 

これは明らかに何らかの意図をもって視覚的変化を入れていると考えられますよね。

エルサの心境を表しているんじゃないかと受け取りました。もちろん何が正解かはわかりませんけどね。

 

それでも長年の悩みだった力の意味がわかり、すっきりした表情を見せて、髪形も変化が加わっていった。エルサの心境は間違いなく好転している描写と受け取って良さそうですよね?(自分がそう思いたいだけ…?)

そんなエルサが下した決断が今回のラストな訳です。

 

精霊として覚醒したエルサと、だいたいときを同じくして王の資質を見せたアナ。

アナならなんとかしてくれるだろうという信頼のもとにアナへメッセージを送った結果がこれで、エルサの判断は間違っていなかったですし、”架け橋”の相方としてはこれ以上ないくらいの相手です。

 

だから、エルサは幸せになったと思います。

これは結果的に祝福していいエンディングだと思います。

 

幸せになったエルサは水の馬でアレンデールへ向かい、ときどきアナたちとまた家族ゲームをしていくんだと思います。そこでまた下手なジェスチャーを披露してくれるのでしょう。

 

レリゴーほどキャッチーな曲がないのも、強引な解釈ですが、もう誰かに自分の心境を代弁してもらう必要がなくなったからだとも考えられます。

 

現実世界でエルサと同じように悩み共感してきた人たちには、当たり前ですが精霊としての役割はありませんね

でもどんな人にも存在理由や意味はどこかにきっと眠っているんじゃないかと思います。

それこそ歌声に導かれたエルサのように、思いもよらないところに隠されているかもしれません。

自分のために歩き出してみると望む答えが意外と見つかるかもよ、絶対どこかにあるからそれだけは忘れないでね、というのが「イントゥ・ジ・アンノウン」なのかもしれません。

 

 

エルサは幸せになったのか。みなさんはどう思いましたか??

 

 


アナと雪の女王 2 オリジナル・サウンドトラック